東京大学総合研究博物館 特別展示
空間博物学の新展開／UMUT SPATIUM
20世紀の建築
「20世紀の建築」と題する2つの建築模型が展示されている。ひとつは縮尺1/300の公共建築18棟からなり、もうひとつは縮尺1/100の住宅建築18棟からなる。いずれも建築的なコラージュとして構成し、3Dプリンターで出力している。20世紀における設計思想と建築家の多様性を考慮して建築を選定した。このような統合型の模型は2017年の「建築の記憶」で初めて試行した。ふだん隣接していない建物を集合させることで、新しい相互関係のもとに架空の都市空間が形成される。これらの模型群から、20世紀の建築のいくつかのテーマを見出すことができる。すなわち、自然との共生、保存と転生、成長と介入、柱と壁の分離、機能の無限定、空間の最小限、建設の工業化、新陳代謝、異なる時間の共存、システムの重層、透明性と明るさ、材料の革新といった特性である。「20世紀の建築」は東京大学総合研究博物館における研究教育活動の一環として制作された。当館の特別展示『空間博物学の新展開—UMUT SPATIUM』で展示中である。
20世紀の建築（PDF) リスト・概要・図面
20世紀の建築（公共建築編：縮尺1/300）
01. オーストリア郵便貯金局（オットー・ワグナー/1906）
02. ドイツ工作連盟展ガラス・パビリオン（ブルーノ・タウト/1914）
03. ストックホルム市庁舎（ラグナール・エストべリ/1923）
04. バウハウス校舎・デッサウ（ワルター・グロピウス/1926）
05. ストックホルム市立図書館（グンナー・アスプルンド/1928）
06. ルサコフ労働者クラブ（コンスタンチン・メーリニコフ/1928）
07. バルセロナ・パビリオン（ミース・ファン・デル・ローエ/1929）
08. ダンテウム（ジュゼッペ・テラーニ/1938）
09. 広島平和記念資料館（丹下健三/1955）
10. ロンシャンの礼拝堂（ル・コルビュジエ/1955）
11. ルイジアナ近代美術館（ヨルゲン・ボウ＋ヴィルヘルム・ウォラート/1958）
12. カステルヴェッキオ美術館（カルロ・スカルパ/1964）
13. 大分県立大分図書館（磯崎新/1966）
14. キンベル美術館（ルイス・カーン/1972）
15. ヘドマルク博物館（スヴェレ・フェーン/1979）
16. ラ・ヴィレット公園（バーナード・チュミ/1989）
17. ベルリン・ユダヤ博物館（ダニエル・リベスキンド/1999）
18. 那珂川町馬頭広重美術館（隈研吾/2000）
20世紀の建築（住宅建築編：縮尺1/100）
01. ドミノ・ハウス（ル・コルビュジエ/1914）
02. シュレーダー邸（ヘリット・リートフェルト/1924）
03. ロヴェル・ビーチ・ハウス（ルドルフ・シンドラー/1926）
04. メーリニコフ自邸（コンスタンチン・メーリニコフ/1929）
05. サヴォア邸（ル・コルビュジエ/1931）
06. マラパルテ邸（アダルベルト・リベラ、クルツィオ・マラパルテ/1938）
07. ブロイヤー自邸Ⅱ（マルセル・ブロイヤー/1947）
08. イームズ自邸（チャールズ・イームズ/1949）
09. ファンズワース邸（ミース・ファン・デル・ローエ/1950）
10. 立体最小限住宅No.3（池辺陽/1950）
11. 51C型（吉武泰水/1950）
12. スタール邸（ピエール・コーニッグ/1960）
13. 母の家（ロバート・ヴェンチューリ/1963）
14. シーランチ・コンドミニアム（チャールズ・W・ムーア(MLTW)/1965）
15. 中銀カプセルタワービル（黒川紀章/1972）
16. 住吉の長屋（安藤忠雄/1976）
17. 中野本町の家（伊東豊雄/1976）
18. ボルドーの住宅（レム・コールハース/1998）
構成デザイン： 松本文夫（東京大学総合研究博物館）
3Dモデリング： 小林友喜、山口湧太、田崎祥、伊室武、阿部公平 （東京大学）
3Dプリンティング： 栗本英年、加藤嘉晴、藤本聡 （株式会社クリモト）
完成：2021年11月
製作：東京大学総合研究博物館
20世紀の建築（公共建築編） 平面図
20世紀の建築（公共建築編） 俯瞰図
20世紀の建築（公共建築編） 立面図
20世紀の建築（公共建築編） 立面図
20世紀の建築（住宅建築編） 平面図
20世紀の建築（住宅建築編） 俯瞰図
20世紀の建築（住宅建築編） 立面図
20世紀の建築（住宅建築編） 立面図
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