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日本の油田の原油標本
年間消費量の1%にも満たない量ではあるが、現在でも国内で石油の採掘は行われている。明治~昭和初期には数多くの油田が開発され、その油田で採取された原油標本がガラス瓶に保管されている。原油は様々な長さをもつ炭化水素分子の混合物が地下で天然に液状で形成されたものである。産地や深度によって分子の混合の度合いが異なるため、粘性や色調に違いがみられる。展示標本は、まだ油田開発が本格化する前に採取されたものもあるため、石油の成因を考える上でも貴重である。 (清田 馨)