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広島・長崎の被爆瓦
広島・長崎の被爆瓦に共通する特徴は、熱線による損傷が、ごく表面部分に留まっていることである。瓦の断面を観察すると、内部は全く変化していない。この点で、二次的な火災によって全焼した瓦と明確に識別出来る。瓦が発泡していることは、瓦の表面が沸点という未だ測られたことのない途方もない温度に達したことを意味している。広島と長崎の両方の瓦が同質であると仮定すると、明らかに長崎の瓦に照射した熱線エネルギーの方が高い。これらの標本は、原爆研究において新たな知見をもたらす可能性を秘めている。 (田賀井篤平)