東京大学総合研究博物館 The University Museum, The University of Tokyo
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寺田 鮎美 研究者リストに戻る

略歴
2003年3月、東京大学大学院人文社会系研究科文化資源学研究専攻文化経営学専門
分野修士課程修了。
2008年3月、政策研究大学院大学文化政策プログラム修士課程修了。
2011年3月、政策研究大学院大学政策研究科公共政策プログラム博士課程修了、
博士(文化政策研究)。
2007年5月-2008年3月、東京大学総合研究博物館ミュージアム・テクノロジー研究部門、リサーチフェロー。
2008年4月-9月、同特任研究員。2008年10月-2009年3月、同特任助教。
2009年4月-2011年3月、日本学術振興会特別研究員(DC2)。
2011年7月-2016年11月、東京大学総合研究博物館インターメディアテク研究部門、特任助教。
2016年12月より現職。

研究テーマ
1)ミュージアムの社会的存在意義に関する理論的検討
 ミュージアムの活動は常に社会と結びついている。したがって、ミュージアムの社会的存在意義とは不変ではなく、時代や社会状況によって変化していくものであると考えられる。ミュージアムを外表的な容れものとしてではなく、自らが活動する主体として捉え直し、特に先進的な実験施設としての役割を担う「大学博物館」というカテゴリーに着目した比較研究を行う。多様かつ多層な価値を有するミュージアムに関する歴史的・哲学的考察を深化させ、その今日における存在意義の再定義に取り組む。
2)ミュージアムの公共的役割の推進に寄与する評価論および運営論の検討
 ミュージアムとは、人類の様々な記憶が刻まれたモノを集積し、それらをあらゆる人が利用可能なものとする文化的装置としての公共的役割を担っている。ミュージアムが存在し、活動を継続していくためには、その公共的役割を推進し、多くの人の理解と支援を得ることが求められる。そのために、ミュージアムは絶えず自己の活動を評価し、その結果を開示・説明し、将来の活動に反映させていかなければならない。様々な利用者のニーズや価値意識に照らしたミュージアムの社会的評価を適切に行い、それに基づく長期的な視点に立ったミュージアム運営を行っていくための戦略を描き出し、ミュージアムと社会との緊密な関係を構築していくことを研究課題とする。ミュージアム評価論および運営論における実践と理論化の循環構造の実現を図りたい。
3)次世代ミュージアム・モデルの構築とその導入に向けた文化政策的課題の検討
 次世代ミュージアムのあり方を具体的に提示してみせる「インターメディアテク」や「モバイルミュージアム」の様々なプロジェクトへの参画を通じ、コレクションの高度利活用、空間デザイン、利用者コミュニケーション等に関する次世代ミュージアム・モデルの構築に寄与することを目指す。個々の学術標本や展示空間にこれまでにない創造的な価値を付与する意欲的な展覧会やパフォーミング・アーツとのコラボレーション・イヴェント等の企画立案やその社会的意味の検証により、ミュージアムの活動の新たな展開可能性を実践的に提起したい。さらに、文化政策研究としての観点から、これら先進事例に基づく次世代ミュージアム・モデルの条件整備の一般化を試みるとともに、その導入・普及のための制度設計を行い、モデルの有効活用を図るための政策的課題を明らかにしていく。ミュージアムの発展とそれを通じた人々の文化的享受と創造に貢献する研究となることを目標とする。

研究論文
「英国における博物館学修士課程のコース内容の比較分析――ミュージアム・マネージメント科目を中心に」、『日本ミュージアム・マネージメント学会研究紀要』第20号、日本ミュージアム・マネージメント学会、2016年3月、55-63頁。
「フィリピン国立博物館の博物館教育に関する基礎調査報告――教育制度との関係、ミュージアムガイドの活動、学生の来館実態」、『日本ミュージアム・マネージメント学会研究紀要』第19号、日本ミュージアム・マネージメント学会、2015年3月、63-72頁。
「英国の大学ミュージアムと博物館学教育――イースト・アングリア大学の事例」、『博物館研究』Vol. 49 No. 7(通巻553号)、日本博物館協会、2014年7月、25-27頁。
「フィリピン国立博物館の文化政策的役割に関する基礎調査報告――成立経緯、使命、活動の現状」、『日本ミュージアム・マネージメント学会研究紀要』第18号、日本ミュージアム・マネージメント学会、2014年3月、37-46頁。
Terada, A. (2013) “Creativity in Museum Activities: the University Museum’s Role in the Establishment of a Next-Generation Museographic Model.” Philippine Journal of Systematic Biology. 7: 86-97.
「スクール・モバイルミュージアムの効果検証に関する利用者調査報告――文京区立湯島小学校における『火星展』のパイロット事例」、『日本ミュージアム・マネージメント学会研究紀要』第17号、日本ミュージアム・マネージメント学会、2013年3月、37-46頁。
「次世代博物館モデルの構築に向けた東京大学総合研究博物館モバイルミュージアムの有用性の検証――三つの事例分析から」、『日本ミュージアム・マネージメント学会研究紀要』第16号、日本ミュージアム・マネージメント学会、2012年3月、63-71頁。
「収蔵品の流動化による次世代型博物館モデルの検証――東京大学総合研究博物館『モバイルミュージアム』プロジェクト評価中間報告」、『文化経済学』第7巻第1号、文化経済学会、2010年3月、63-73頁。
垣内恵美子・奥山忠裕・寺田鮎美「美術館を対象とした市民の便益評価――倉敷市大原美術館を事例に」、『都市計画論文集』第44巻第3号、日本都市計画学会、2009年10月、403-408頁。
「来館者調査の意義と課題――博物館評価の現状から」、『日本ミュージアム・マネージメント学会研究紀要』第13号、日本ミュージアム・マネージメント学会、2009年3月、51-56頁。

展示等関連著作
「『Play IMT』の展開―展示空間での実験パフォーマンスとポストプロダクション 」、『東京大学総合研究博物館ニュース ウロボロス』第59号、東京大学総合研究博物館、2017年3月、12-13頁。
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/web_museum/ouroboros/v21n3/v21n3_terada.html
小石川分館特別展示
「『工学主義―田中林太郎・不二・儀一の仕事』 によせて」、『東京大学総合研究博物館ニュース ウロボロス』第58号、東京大学総合研究博物館、2017年2月、2-5頁。
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/web_museum/ouroboros/v21n2/v21n2_terada.html
「劇的回想録断片」および「ミュージアム・プレイグラウンド」、『Play IMT 4 ――プレイグラウンド』ウェブカタログ、東京大学総合研究博物館、2016年12月。
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/exhibition/2016PlayIMT4web_catalog_JA.pdf
Terada, A. (ed.) (2016) Mobile Museum Boxes: The Diversity of Natural History in Mindanao. Mobile Museum Boxes Project 2015-16.
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/exhibition/2015MobileMuseumBoxes.html
寺田鮎美・佐々木猛智「フィリピン『Mobile Museum Boxes Project 2015-16』」、『東京大学総合研究博物館ニュース ウロボロス』第56号、東京大学総合研究博物館、2016年3月、6-8頁。
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/web_museum/ouroboros/v20n3/v20n3_terada.html
「演劇創作プロジェクト『Play IMT』の始動」、『東京大学総合研究博物館ニュース ウロボロス』第54号、東京大学総合研究博物館、2015年5月、8-10頁。
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/web_museum/ouroboros/v20n1/v20n1_terada.html
寺田鮎美・上野恵理子「学校対象教育実験プログラム『アカデミック・アドベンチャー』」、『東京大学総合研究博物館ニュース ウロボロス』第53号、東京大学総合研究博物館、2015年1月、13-14頁。
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/web_museum/ouroboros/v19n3/v19n3_terada.html
「IMTカレッジ『東大教室』2013夏」、『東京大学総合研究博物館ニュース ウロボロス』第49号、東京大学総合研究博物館、2013年10月、10-11頁。
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/web_museum/ouroboros/v18n2/v18n2_terada.html
「多様性が開く新たなミュージアムの可能性」、『東京大学総合研究博物館ニュース ウロボロス』インターメディアテク特集号、東京大学総合研究博物館、2013年1月、8-15頁。
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/web_museum/ouroboros/v17n3/v17n3_terada.html
「驚異の部屋再考――『ファンタスマ――ケイト・ロードの標本室によせて』」、『東京大学総合研究博物館ニュース ウロボロス』第40号、東京大学総合研究博物館、2010年12月、5-7頁。
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/web_museum/ouroboros/v15n2-3/v15n2-3_terada.html
宮本英昭・洪恒夫・関岡裕之・橘省吾・寺田鮎美「海外モバイルミュージアムMM010CN:異星の踏査at清華大学」、『東京大学総合研究博物館ニュース ウロボロス』第35号、東京大学総合研究博物館、2008年12月、2-3頁。
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/web_museum/ouroboros/v13n2/v13n2_miyamoto.html