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古代土器工房出土の大型壺
西アジアでは前4千年紀末頃からロクロを用いた土器製作が始まり、世界に先駆けて職人社会が発展する。本展示品は、青銅器時代初頭の土器工房跡で1965年に東京大学の調査団が発掘したものである。底に直径5cmほどの穴が開いているため、中に粘土と水を入れてかき回すと、砂利などの夾雑物は沈澱し、上層にはきめ細かな良質粘土が残る。高質な土器を作るために考案された粘土水簸 (すいひ)装置と考えられる。 (西秋良宏)