東京大学総合研究博物館 The University Museum, The University of Tokyo
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大槌文化ハウスとは

東大教室@大槌

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モバイル展示

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ウミカラマツ類の一種

オオアカゲラ

アフリカの仮面

数理模型




 

モバイル展示       

モバイルミュージアムは次世代ミュージアムの一つの形式として構想されたもので、社会環境に広く分散し、携帯電話のように自由に遊動する「遊動型博物館」のことです。東京大学総合研究博物館では、2006年以来、興和不動産株式会社(現新日鉄興和不動産株式会社)の支援によりモバイルミュージアムの実験研究を継続し、現在では国内外の実践総数が80を超えるまでに幅広く展開しています。
総合研究博物館の西野嘉章館長は、この実験研究の眼目を「既存の概念・制度・建物の中に自閉し、未来への展望を持ちえずにいるミュージアム事業に、内から外へ、集中備蓄からネットワーク遊動へ、施設建物から都市空間へという、よりアクティブで、より機動的で、より効率的な事業モデルのあり得ることを、社会に向かって提案することにある。」と述べています。
モバイルミュージアムは、大規模な専用ミュージアム施設とは異なり、小規模分散型のミュージアム群を生成します。モノや人間を特定のミュージアム施設に集めるだけでなく、むしろ逆に、ミュージアムが小単位になって積極的に社会の中に飛び出し、相互に連携し協調するという方向性をもっています。それまでミュージアムとは無縁であったさまざまな空間、たとえばオフィスや学校や公共施設などの一角が、展示ユニットの導入によって小さなミュージアムに様変わりします。大槌文化ハウスの中には東京大学総合研究博物館の学術標本が4点展示されており、これもモバイルミュージアムの一つです。
東京大学総合研究博物館 モバイルミュージアムのページ


大槌文化ハウスの展示物(2013年9月〜)

■ウミカラマツ類の一種
植物のように見えるが、動物であり、刺胞動物花虫綱ツノサンゴ目に属する。フィリピン産。生時は岩礁に付着し、多数のポリプの群体が表面を包んでいる。クロサンゴとも呼ばれる。

■オオアカゲラ(Dendrocopos leucotos)
留鳥として北海道から奄美諸島まで分布するキツツキの一種。東北地方にも普通に見られる。頭頂部と下尾筒の赤色が特徴的である。近縁種であるアカゲラに似ているが、本種の方がやや大きく、腹に黒い縦斑があること、肩羽の白色部が小さいことで区別できる。キツツキは極めて特殊な頭骨や舌を持っており、毎秒10回もの速度で木を叩いて穴を開けた後、舌を伸ばして樹木中に潜んでいるカミキリムシ幼虫などを捕食する。このため頭骨は衝撃に耐え、さらに頭骨外側に長い舌を巻き付けて収納する特殊なものとなった。足指は前2本・後2本の配列になり、尾羽も体を支えるために硬くなっている。

■アフリカの仮面
西アフリカに位置する内陸国ブルキナファソ共和国のモシ族が儀礼に用いたアンティロープ・マスク。アンティロープはモシ族の神話のなかに始祖動物として登場する「コバ」と同一視されており、これを被ると守護霊に化身する。アフリカの仮面は、部族社会特有の儀礼や風習に使われることから、伝統的に民族学の研究資料と見なされてきた。しかし、製作技術の水準の高さはもとより、象徴学や造形性においても際立っていることから、アート・ワークとして価値づけられることもある。写実的な表現を超えた、その抽象的なフォルム、発想の豊かさには、瞠目すべきところがある。

■数理模型
正の定曲率をもつ一般化されたヘリコイド曲面の石膏模型(レプリカ、菊池敏正作製、2011年)。100 年ほど前にドイツで製作され、東京大学理学部数学科へ伝えられた微分幾何学に関わる模型コレクションの一つである。複雑な曲面の模型化は容易ではないが、それらが一定の精度のもと実現されている点でも貴重である。


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